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第17部分

幽霊西へ行く(日语原文)-第17部分

小说: 幽霊西へ行く(日语原文) 字数: 每页4000字

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 一見して女の居間とわかる、いかにもなまめかしい感じの部屋《へや》を通りぬけて、その奥《おく》の寝室《しんしつ》へ入ると、警部は腕《うで》を組んで部屋を見まわした。
「ク椹‘も、こうなるとよしあしだな」
「どうしてです?」
 横山部長は、眉《まゆ》をひそめてたずねたが、一足おくれてついて来た鑑識《かんしき》課員が、そばから口をはさんだ。
「ル啵骏‘ラ韦ⅳ氩课荬扦稀⑺捞澶挝露葔浠栅膜Δ螆龊悉冗‘《ちが》うので、死亡時間の推定に、微妙《びみよう》な狂《くる》いが出て来る恐《おそ》れがあるのです。まあ、一応の見当では、午前四時前後というところでしょうが……」
「四時前後? 明け方だな」
 警部はひくくつぶやくと、豪奢《ごうしや》なダブル?ベッドの下に転がり落ちて倒《たお》れている寝巻姿《ねまきすがた》の五十五、六の男を見つめた。これが大賀耕治に摺い胜ぁ
「絞殺《こうさつ》だな」
「そうです。あまり抵抗《ていこう》した様子がないところを見ると、寝《ね》こみをおそわれたのでしょうが、紐《ひも》を使っていますから、女でも出来ないことはありますまい」
 鑑識《かんしき》課員の言葉に、警部は大きくうなずいて、ベッドのまわりを注意深く見まわした。
 サイド?テ芝毪紊悉摔稀⑺丹贰⒒颐蟆钉悉い钉椤贰⑷~巻一箱、何やら数字をいっぱいに書きこんだ紙片に鉛筆《えんぴつ》、それに男物の腕《うで》時計と、女物の腕時計が一つずつのっている。
 ほかには、特に興味をひくような物もなく、家具眨趣狻ⅳい摔饨黏悉堡皮い饯Δ坤⒄{和や統一にはとぼしく、全体として、ごてごてした派手好《はでごの》みな女の性格を反映しているような感じだった。
「ダブル?ベッドに一人で寝《ね》ていて殺されたとは、何ともお気の毒な話だが、女のほうはどうしたのかな?」
 横山部長|刑事《けいじ》が、ひとりごとのようにいいかけたとき、ジリジリという奇妙《きみよう》な音が、部屋《へや》中にひびきわたった。
 指紋《しもん》の検出を終わった腕時計からだった。

    2

「やはり一社の社長となると、いい時計を持っていますね。女物のほうはロ浈毪韦瑜Δ扦工ⅳ长盲沥膝Ε━毳单啶巫钚滦汀ⅴ钎ぅ骏椹‘ムといって、日付のカレンダ妊邸钉帷筏钉蓼筏韦膜い郡浃膜扦工琛¥长瓮à辍⒏o頭《りゆうず》が二つついているでしょう」
 横山|刑事《けいじ》は、その時計をとりあげて、加瀬警部に説明した。
「くわしいな。君は時計屋の息子《むすこ》だったかな」
「いや、私の叔父《おじ》が時計をあつかっているので……」
 刑事は半《なか》ば無意識のように、竜頭に指をかけて、ねじをまいていたが、ほんのちょっとまわしただけで止めてしまった。
「ほとんど一杯《いつぱい》にまかれていますね……これで自動巻き装置《そうち》になっていれば文句のないところですが、現在の技術では、日付のカレンダⅴⅴ椹‘ム、自動巻きの三つの機構のうち、二つしか組みこむことが出来ないそうです」
 刑事はそれからかるい苦笑を浮《う》かべた。
「これは失礼。時計の受け売りの講釈をしている場合ではありませんね。ショックで時計が止まっていて、犯行時刻を正確に示しているというような場合ならばともかく……」
「機械は非情なものだからな。持ち主が死んでも正確に時を刻んでいるよ」
 警部もちょっと感傷的なせりふを吐《は》いたが、すぐわれに帰ったように、
「とにかく、ここの住人たちを尋問《じんもん》して見よう。応接間かどこか、あいている部屋《へや》はあるんだろう」
 といいながら、現場を出た。
 母屋《おもや》の応接室へ入ると、警官がまず四十ぐらいの眼《め》の鋭《するど》い男をつれてやって来た。
 被害者《ひがいしや》の従弟《いとこ》で、村越和男といい、大賀商事の枺┲У辘未伍Lをしているということだった。
 この家は、十年ほど前、大賀耕治がほとんど捨て値で手に入れたらしい。もちろん、商売がら、毎月|神戸《こうべ》の本社と枺─伍gを、数往復するというのだから、神戸に本宅、枺─藙e宅という生活もおかしくはないが、そこにいわゆる枺━铳ぅ栅坤堡扦悉胜⒒嵘绀碎v係のある人間をごちゃごちゃつめこんでいるところが、関西商人らしいがめつさだろう。
 神戸の本宅のほうには、園枝《そのえ》という正夫人と、三人の子供がいるらしいが、さっそく飛行機で上京して来るということだし、そちらの眨麞摔厢幛蓼铯筏摔筏皮猡瑜い染郡峡激à俊
 現在ここに住んでいる女は、光村|珠代《たまよ》という映画のニュ骏榨З‘スらしい。彼が相手にして、ここに住まわせている女は、平均二年ぐらいの寿命《じゆみよう》しか持たないというのだが、この女がこの家へ入って来てから、一年七か月になるというのだから、そろそろ倦怠期《けんたいき》にさしかかったころかも知れなかった。
「それで、その光村さんはどこにおられるのですか?」
 警部の伲鼏枻恕⑾嗍证厦肌钉蓼妗筏颏窑饯幛啤
「昨夜九時ごろ、横浜にいるお母さんが危篤《きとく》だという電報があって、急いでとび出して行ったのです。これが奥《おく》さんのお母さんなら、社長も当然いっしょに出かけたところでしょうが、そこは何しろ愛人ですからね」
 と、日ごろの胸のつかえを吐《は》き出すような口眨扦い盲俊

    3

 広い家には摺钉沥筏い胜いⅳ郡筏摔长渭窑想j居房《ざつきよぼう》のような感じだった。
 母屋《おもや》に住んでいるのは、村越和男とその妻の芳子《よしこ》だが、この女は胸をわずらって、三か月ほど前から入院中だということだった。それから、被害者《ひがいしや》の伯父《おじ》の松崎|武則《たけのり》、会社の仕事にはタッチしていないのだが、個人的な投資の切りまわしをしているらしい。それに、神戸から同行して来た秘書の貝森|憲一《けんいち》、書生として住みこんでいる藤代|勇《いさむ》というW大学の学生、石原利江と近藤みどりという二人の女中――これが昨夜、この家にいあわせた人々だった。
 現場の状況《じようきよう》や、犯行推定時刻などをにらみあわせて、外部から犯人が侵入《しんにゆう》したということはまず考えられなかった。
 加瀬警部は、いちおう容疑者をこの六人の線に絞《しぼ》って、取り眨伽蜻Mめて行った。
 被害者《ひがいしや》と、最後に顔をあわせたのは――という伲鼏枻恕⒋逶胶湍肖悉长Υ黏à俊
「珠代《たまよ》さんが出かけてすぐ、私はちょっと離《はな》れへ顔を出して見ました。社長は気がぬけたように、ウィスキ胜嗓蝻嫟螭扦い蓼筏郡ⅳⅳ蓼晷呐浃筏皮い毪瑜Δ蕵斪婴猡胜
 ――まあ、今夜はゆっくり休養しろという天命なんだろうから、そろそろ寝《ね》るとするか、
 などといっておりましたから、私もウィスキ蛞槐喟椤钉筏瑜Δ肖蟆筏筏郡坤堡扦窑陇辘蓼筏俊J畷rちょっと前のことでしたが……」
 村越和男の尋問《じんもん》が、こんなふうにして終わりかけたとき、廊下《ろうか》の外がさわがしくなった。そして、警官の制止をふり切るようにして、花模様のワンピ工蜃扭恳蝗摔韦铯づ趣婴长螭抢搐俊
「あの人が……あの人が殺されたんですって……罠《わな》、罠だったのです!」
 血相をかえ、うわごとのような言葉をもらすと、ハンカチを眼にあてて、激《はげ》しくしゃくりあげた。
「光村珠代さんですね。罠――とは、いったいどういう意味なのです?」
 警部が鋭《するど》くたずねると、
「あの電報はにせものだったんです……家へ帰って見たら、母はなんともなくて……変だなとは思ったんですが、誰《だれ》かのたちの悪い悪戯《いたずら》だろうと考えて、そのまま昨夜はむこうに泊まってしまったんです……わたしをさそい出して、パパを殺そうとした、犯人のたくらみに摺钉沥筏いⅳ辘蓼护螅 
 珠代はヒステリックにしゃべりまくったが、これは警部にはそれほど意外なことではなかった。犯行が計画的なものだとすれば、犯人がこの程度のトリックを仕掛《しか》けることは、むしろ当然といってよいのである。
「それでお出かけになったのは?」
「九時二十分ごろのことでした。わたくしもあまりあわてて、時計を忘れたくらいですから、正確な時間はわかりませんが……」
 裏の秘密はともかくとして、直接手を下した犯人としては、この女は除外していいだろうと、警部は思った。それからも、あれこれと、伲鼏枻蚓Aけて見たのだが、珠代は大げさと思われるくらいの愁嘆《しゆうたん》を続けるだけだった。

    4

 松崎武則は六十三ということだったが、体格はたくましく、皮膚《ひふ》もまだつやつやしていた。だが口眨悉い摔饫先摔椁筏
「私もむかしは兜町《かぶとちよう》と蠣殻町《かきがらちよう》で大相場をはって、松崎将軍とまで呼ばれた男です。耕治を世話してやったのもそのころですが、昭和十五年を境として、その後は、すべて事志と摺钉沥筏い蓼筏皮省韦颏浃盲皮猡Δ蓼肖骸ⅳⅳ伽长伽烁韦问涝挙摔胜毪瑜Δ摔胜盲皮筏蓼い蓼筏郡い蕖⒏韦怂坤胜欷皮稀ⅳ长欷橄趣猡嗓Δ胜毪浃椤
 などと、溜息《ためいき》まじりのくりごとを、くだくだならべたてるのだった。まだ体のほうが、完全に老いこんでいないだけに、こうして居候《いそうろう》のような身分になり下がった自分が情なくてたまらないのだろう。
「それで、耕治さんと最後におあいになったのは?」
「あれは十一時ちょっと前だったと思います。友達のお通夜から帰って来て、株のことでどうしても話しておきたいことがあったので、まだ起きているかな――と思いながら、離《はな》れをのぞいて見ました。もちろん、彼女がいたら、私も遠懀А钉à螭辘琛筏筏郡扦筏绀Δⅳ謥护い寺劋い郡槌訾堡郡趣いΔ韦恰
「なるほど、それで?」
「行ってみたら、耕治はもうベッドに入ってぐ癌‘いびきをかいていました。起こすほど急ぐことでもないので、私も引き返して寝《ね》てしまいましたが」
「その時、べつに異状はなかったのですね」
「もちろんです。なにしろ、あの部屋《へや》は冷房《れいぼう》ですから、真夏でも、窓は密椋Г筏皮い蓼工贰
「それから、老人の方――と申しては失礼ですが、一般《いつぱん》的に年をとると、耳ざとくなるという話ですね。夜中に――というよりも、明け方近く、何か妙《みよう》な物音でもお聞きになりませんでしたか?」
「さあ……いっこうに……あの離《はな》れでの物音は、よほど大きなものでないと、母屋《おもや》までは聞こえないと思いますよ」
 結局、彼の証言からも大して得るところはなかったのである。次に呼ばれたのは、秘書の貝森憲一だった。三十二で、学生時代には柔道《じゆうどう》の選手をしていたということだが、いかにもスポ膜清憽钉俊筏à郡瑜Δ侍甯瘠坤盲俊
「珠代さんが出かけられて間もなく、神戸から長距離《ちようきより》電話がありまして、かなり重要な問睿蛑椁护评搐郡韦扦埂I玳Lがおひとりなことはわかっておりましたから、すぐ離れへお知らせに参りましたが、そのとき、おあいしたのが最後になったのです」
 憲一は、沈痛《ちんつう》な表情を浮《う》かべながら、要領よく答えた。
「それは何時ごろでした?」
「十時ちょっと前だったと思います」
「その時、大賀さんはお一人だったのですね」
「もちろんです」
「それから、あなたはどうしました?」
「私の割り当ての部屋《へや》へもどると、三十分ほど本を読んで寝《ね》てしまいました」
「なるほど……その重要な報告を持って行ったときの大賀さんの様子は?」
「やはり、問屋の倒産《とうさん》となると、こちらにもいろいろとひっかかりはありますから、大分心配しておられたようですが……前にも例がなかったことではありませんし……」
 貝森憲一は、慎重《しんちよう》な態度で答えた。

    5

「まるでコンニャク問答ですな」
 この四人の取り眨伽Kわってから、横山部長刑事は溜息《ためいき》をついていったが、ほかの三人に対する尋問《じんもん》は、さらに手ごたえがなかった。
 藤代勇は、五時ごろ、会社から帰って来た被害者《ひがいしや》に顔をあわせたのが最後だということだし、母屋《おもや》づきの女中、石原利江も、べつに変わったこともいわなかった。離《はな》れづきの女中近藤みどりは、三十八度の熱で、夕方から寝《ね》こんでしまったというし、誰《だれ》の話もぜんぜん

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